半導体大手のルネサス エレクトロニクスは、ヘルスケア・医療分野に本格参入する。2016年4月、家電向け半導体などを手掛けるホーム&MCU・ソリューション事業部内に「ヘルスケアソリューション部」を新設。ヘルスケア・医療という出口に的を絞った技術・製品開発に本腰を入れる。2016年4月20~22日に東京ビックサイトで開催される医療機器関連の展示会「MEDTEC Japan 2016」に、同社として初めて出展する。

ルネサス エレクトロニクス 第二ソリューション事業本部 ホーム&MCU・ソリューション事業部 事業部長の伊藤栄氏(中央)と、同社のヘルスケア事業担当者。向かって右が同事業部 ヘルスケアソリューション部 課長の岡田紀雄氏、同左が同事業部 シニアエキスパートの守屋徹氏 (写真:皆木 優子)
ルネサス エレクトロニクス 第二ソリューション事業本部 ホーム&MCU・ソリューション事業部 事業部長の伊藤栄氏(中央)と、同社のヘルスケア事業担当者。向かって右が同事業部 ヘルスケアソリューション部 課長の岡田紀雄氏、同左が同事業部 シニアエキスパートの守屋徹氏 (写真:皆木 優子)
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 ルネサスが力を入れるのは「ホーム×ヘルスケア」の領域。病院での慢性期医療から、日常での健康管理や疾病予防へと医療の比重がシフトする中、家庭での見守りや健康管理に向けたソリューションを提供していく。「見守り、健康管理、快適、省エネという4つのキーワードに着目し、事業を展開したい。我々が自動車や産業機器分野で培ってきた“信頼性”や“安心感”という要素を、ヘルスケア分野でも生かす」(同社 第二ソリューション事業本部 ホーム&MCU・ソリューション事業部 事業部長の伊藤栄氏)。

 同社はこれまでも、血圧計や血糖値計といった据え置き型ヘルスケア機器に向けた半導体を提供してきた。今後は、さまざまなヘルスケア機器がつながる“ヘルスケアIoT(Internet of Things)”の時代が来るとにらみ、そこに向けた製品を利用シーンに即した「ソリューションに引きつけて提供したい」(伊藤氏)。ソリューション開発に向けては、機器メーカーに加え、システム/サービスベンダーや素材メーカーとも連携していく。