FIELD Systemの接続概念
FIELD Systemの接続概念
ロボットやFA機器などの現場のデバイスとクラウドの中間にある「フォグ」と呼ぶ層にあたる。データをクラウドではなくフォグで処理することで、リアルタイムの情報処理と共有が可能になる。
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4社の首脳陣
4社の首脳陣
向かって右から2番目と3番目がPreferred Networks社代表取締役社長CEOの西川徹氏とRockwell Automation社Senior Vice President and CTOのSujeet Chand氏、4番目と5番目がファナック代表取締役社長の稲葉善治氏と同専務取締役 ロボット事業本部長 稲葉清典氏、6番目がCisco Systems社Senior Vice President IoT and ApplicationsのRowan Trollope氏。
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 ファナックと米Cisco Systems社、米Rockwell Automation社、Preferred Networks(本社東京)の4社は、工場の複数のロボットや工作機械、FA機器、センサーなどをつないで生産を最適化するためのプラットフォーム開発で協業する。同プラットフォームの名称は「FANUC Intelligent Edge Link and Drive(FIELD)system」。2016年秋ごろの市場投入を目指している。

 FIELD systemは、ファナックがCiscoと協力して進めてきた「ZDT(Zero Downtime)プロジェクト」を拡張したもの。ZDTは、ロボットに不具合が発生したような場合に、稼働データを分析することによって不具合の原因を迅速に究明しダウンタイムを最小限に抑えるシステム(関連記事)。FIELD systemでは、ロボットだけでなくNC装置を搭載した工作機械やPLCの他、生産現場のさまざまセンサーなどから吸い上げたデータを分析して生産能力や品質を高めるためのプラットフォームを提供する。

 シスコとRockwell Automation社が共同開発した「Converged Plantwide Ethernet(CPwE)」がベースとなっており、産業用イーサネットスイッチを利用して産業用に求められるセキュリティーを確保しながらロボットや各種工作機械を「Cisco UCS(Unified Computing System)」に接続する。これにより複数機械の協調制御や予防保全を実現して生産性の向上やダウンタイムの低減を図る。オープンシステムとして提供するため、サードベンダーが必要なドライバやアプリを開発すれば、ファナック製品以外の装置やセンサーも接続できるとしている。