実証実験の設備と配置図
実証実験の設備と配置図
(出所:東京電力ホールディングス)
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島内の太陽光発電設備
島内の太陽光発電設備
(出所:東京電力ホールディングス)
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島内の風力発電設備(出所:東京電力ホールディングス)
島内の風力発電設備(出所:東京電力ホールディングス)
(出所:東京電力ホールディングス)
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実証実験の概要
実証実験の概要
(出所:東京電力ホールディングス)
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分散型制御協調システムの概要
分散型制御協調システムの概要
(出所:東京電力ホールディングス)
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 東京電力ホールディングスと東京電力パワーグリッド、東光高岳の3社は4月13日、東京都新島村の新島と式根島で、太陽光と風力発電の出力変動を「VPP(バーチャル・パワー・プラント=仮想発電所)」技術を使って緩和する実証実験を開始する。

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の事業によるもので、4月14日に開始する。新島と式根島は、海底ケーブルで連系しているので1つの系統として運用している。

 両島に設置された風力・太陽光の出力変動に起因する需給バランスの乱れを、蓄電池や需要家設備も活用して改善する。

 既存のディーゼル発電設備との協調制御のほか、蓄電池の充放電や、ヒートポンプや空調など需要家設備と協調制御する。このように分散したエネルギー設備を協調制御する仕組みは、VPPと呼ばれる。

 両島の需要規模は約1900~4400kWで、定格出力7700kWのディーゼル発電設備が電力を供給している。太陽光・風力発電は既設も含め、約1060kW。内訳は、風力発電が2基で合計出力600kW、太陽光は小中学校など8カ所に合計で約460kWとなる。

 蓄電池システムは合計で約1600kWh分システムを活用する。ディーゼル発電設備に併設した1000kWhのほか、風力と太陽光への併設(風力併設500kWh、太陽光併設・各12kWh)と役場支所に設置する。

 需要を制御する設備は、村営間々下温泉のヒートポンプ、新島港のブラインチラー(冷凍機)を予定している。

 風力・太陽光の出力を予測しつつ、ディーゼル発電機と蓄電池、需要家設備と協調して制御することで、再生可能エネルギーを最大限に受け入れる系統システムを構築・評価するのが目的。

 具体的には、風力・太陽光の出力増で電力需要より供給が上回る場合に蓄電池に充電するなどの「余剰対策制御」(長周期変動対策)、風力・太陽光の短時間での出力変動を蓄電池などで緩和する「変動緩和制御」(短周期変動対策)、風力・太陽光の出力を蓄電池制御などによって事前の計画値と一致させる「計画発電制御」を実施する。