家庭用品大手のアイリスオーヤマが「総合家電メーカー」を目指し、大型白物家電市場に参入する。第1弾は、スマートフォン(スマホ)から操作できるルームエアコン(プレスリリース)。家庭のWi-Fi環境に接続できるよう、無線LANモジュールを内蔵しており、参考価格は最上位機種の「Wi-Fi・人感搭載シリーズ IRW-2817C(主に10畳用)」で9万9800円(税別)。発売日は2017年4月28日。国内家電メーカーが手薄となっている、単身・少人数家庭向けに機能を絞った低価格品を投入することで勝機があると見る。

アイリスオーヤマ 家電事業部 統括事業部長 石垣達也氏(右)と同 家電開発部 大阪R&Dセンター 統括マネージャーの原英克氏(左)。スマートフォンのアプリから6台まで操作できる。本体及び取り扱い説明書にあるQRコードを読み取って個体識別する。
アイリスオーヤマ 家電事業部 統括事業部長 石垣達也氏(右)と同 家電開発部 大阪R&Dセンター 統括マネージャーの原英克氏(左)。スマートフォンのアプリから6台まで操作できる。本体及び取り扱い説明書にあるQRコードを読み取って個体識別する。
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 今回の製品は、エアコンの基本機能をベースに、無線LANモジュールを搭載し、スマホからの操作ができるようにしたというもの。iOSおよびAndroidに対応する専用アプリ「Net Home Plus」を使って操作する。操作内容はスマホからネットを介して同社が用意するクラウドに送られ、ネットを介してエアコンに通知される仕組み。外出時や遠隔地からも操作ができる。オンオフや運転切り替え、温度設定、タイマー設定、室温の確認といった基本操作に加えて、「睡眠モード」では1時間ごとに温度を設定できる機能を用意した。また、人感センサーを搭載しており、不在時には省エネ運転に切り替える。

 企画・設計は自社だが、生産は協力工場に委託しており、初年度にあたる2017年の販売目標は15万台。初年度の販売状況をふまえつつ、来年以降は生産能力を増強し、住宅設備向けなどへの提供も視野に入れるとする。