「マルチフィジックス結晶成長シミュレーション」の説明。GaN-OILの開所記念式典における天野氏の講演から。
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天野氏近影。GaN-OILの開所記念式典から。
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 文部科学省(文科省)は、GaNパワー素子の開発に取り組む研究開発プロジェクト「省エネルギー社会の実現に資する次世代半導体研究開発」を2016年度から始める。「電子デバイスのプロジェクトは文科省としては今回が初めて」(文科省の担当者)である。2014年にノーベル物理学賞を受賞した、名古屋大学 教授の天野浩氏らの研究グループが中核をなす。5カ年のプロジェクトで、1年目にあたる2016年度の予算は10億円である。

 2014年の青色LEDの発明によるノーベル物理学賞の受賞が、今回のプロジェクトを立ち上げる大きな契機になったという。内閣府や経済産業省の次世代パワー半導体の研究開発プロジェクトがある中で、「(パワー素子という)応用先まで見据えながら、GaNの基礎研究まで立ち返り、原理を解明していくことが特徴」(文科省の担当者)とする。