開所した施設
開所した施設
(出所:NTN)
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 軸受けなどの精密機器メーカーであるNTNは4月12日、三重県桑名市にある先端技術研究所の敷地内に、風力、水力、太陽光による発電電力を電気自動車(EV)や野菜工場などに循環させる「グリーンパワーパーク」を立ち上げたと発表した。

 NTNが開発した垂直軸風車を3基、小水力発電装置を1基、風力と太陽光のハイブリッド街路灯を3基設置し、再生可能エネルギーによる循環モデルの実証実験に取り組む。

 発電した電力は、EVの充電や野菜工場の夜間照明などに活用する。発電量や、蓄電、消費の状況は、コントロール室で常時監視することで最適に制御し、エネルギーを効率的に循環させる。

 今回の施設は、「伊勢志摩サミット」の関連行事として、桑名市を主会場に開催される「2016年ジュニア・サミット in 三重」の視察先に選ばれている。環境と持続可能な社会について討議するG7(先進7カ国)各国の中高生が見学するほか、「ジュニア・サミット」開催後は、近隣の小中高生にも公開し、省エネルギーなどの教育に活用される予定としている。

  NTNは、高効率な翼などの技術を活用した小形風力発電システムや小水力発電システムの開発に取り組んでいる。

 今回導入した垂直軸風車は、どの方向から吹く低速の風でも回り始め、風速2m/秒で発電を開始するほか、ほとんど騒音を出さない。小水力発電装置は、農業用の水路や下水道など、小さな水流がある場所で使用可能で、特殊な形状のプロペラの羽根が効率的に水をとらえる構造となっている。