甑島は3つの主要な島からなる
甑島は3つの主要な島からなる
(出所:住友商事)
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商用電気自動車(EV)を40台導入
商用電気自動車(EV)を40台導入
(出所:住友商事)
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EVの蓄電池を搭載中から廃車後まで利用する
EVの蓄電池を搭載中から廃車後まで利用する
(出所:住友商事)
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役割分担して短周期変動と長周期変動を緩和する
役割分担して短周期変動と長周期変動を緩和する
(出所:住友商事)
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 住友商事と日産自動車、鹿児島県薩摩川内市の3者は3月12日、薩摩川内市の上甑島(かみこしきしま)に電気自動車(EV)を40台導入し、搭載した蓄電池を島内の電力系統と接続し、再生可能エネルギーの普及可能性を高める実証に取り組むと発表した。

 日産自動車の商用タイプEV「e-NV200」を上甑島に40台導入する。V2G(Vehicle to Grid)システムによって、駐車中のEVの蓄電池を系統電力によって充放電する。島内で稼働する風力発電と太陽光発電の出力変動をEVの蓄電池を活用して平準化することで、島内系統で活用できる再エネ電力を最大化することを目指す。

 今回の実証は、島民参加型の「こしき島『みらいの島』共同プロジェクト」の一環となる。

 住友商事と薩摩川内市は、2015年11月に「甑島リユース蓄電池プロジェクト」を開始し、EVに搭載していた蓄電池を再使用(リユース)し、再エネによる出力変動に対応して制御し、島内の電力供給を安定化する実証に取り組んでいる(関連記事)。

 EV40台による実証は、「リユース蓄電池プロジェクト」とも連携する。電力系統の需給バランスの改善制御のうち、太陽光・風力の出力変動などに起因する短時間の変動成分(短周期変動)を定置型のリユース蓄電池で平滑化しつつ、比較的長い時間の変動成分(長期周期変動)をEVの蓄電池で平準化することも構想している。

 リユース蓄電池プロジェクトでは、閉校となった旧浦内小学校のグランドに「甑島蓄電センター」を設置し、定格出力800kW、容量600kWhのLiイオン蓄電池を導入した。今回、導入したEV「e-NV200」には、1台に24kWhのLiイオン蓄電池が搭載されているので、40台で960kWh分の容量となる。