図1 レンタルを開始するリハビリテーション支援ロボット「ウェルウォーク WW-1000」
図1 レンタルを開始するリハビリテーション支援ロボット「ウェルウォーク WW-1000」
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図2 ロボット脚本体(写真:トヨタ自動車)
図2 ロボット脚本体(写真:トヨタ自動車)
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 トヨタ自動車(トヨタ)は、脳卒中などによる下肢麻痺の患者のリハビリテーションを支援するロボット「ウェルウォーク WW-1000」を開発、事業化する(ニュースリリース、図1)。2017年9月から医療機関向けにレンタルを開始する。料金は税抜で月額35万円、別途、初期費用として100万円が必要となる。3年間で100台の導入を目標とする。「医療・介護分野のロボットの実用化は当社で初」(同社)という。

 同社は2007年から藤田保健衛生大学と共同で、医療介護支援ロボットの研究開発を進めてきた。今回のロボットは、2014年から実際の医療現場で臨床研究を進めてきたもの(関連記事1:トヨタがリハビリ支援ロボットの臨床研究用モデルを開発、今秋から医療機関に導入)。臨床研究では、全国23施設に導入し、300人以上が利用したという。

 今回の支援ロボットは、脳卒中などにより下枝麻痺で歩行が不自由になった人が、改めて歩行運動を学習し、自然な歩行を習得することを支援する。ロボットの構成は、麻痺した足に装着する「ロボット脚本体」やトレッドミル(ウォーキングマシン)、患者用モニター、治療者用モニターなどからなる(図2)。ロボット脚本体は、膝部にモーターを備え、足底には複数の力覚センサーを搭載する。センサーからの情報を基に、使用者の歩行状況を判断、モーターが動作を補助する。立脚時にはモーターのトルクを大きくして膝が伸びた状態を保持し、遊脚(振出し)時には、モーターが膝を曲げる動作をアシストする。