NTNは3月31日、同社の開発した垂直軸型の小形風車を、静岡県磐田市の再生可能エネルギー体験施設「いわたエコパーク」に設置し、実証試験を開始したと発表した。定格出力は10kWとなる。
設置した小形風車は、独自開発した高効率の垂直翼を採用したのが特徴。厚みをもたせた翼形状により、強風下でも風切り音がほとんど発生しないという。どの方向から風を受けても回転するため、高効率な発電が可能としている。
翼先端に設けたウィングレットにより回転の抵抗となる渦乱流を防ぎ、エネルギーロスを最小限に抑えた。
今回の実証試験では、小形風車の運転制御に関するデータを収集する。風速に対する回転数の制御条件や、ブレーキ制御条件の最適化、長期間の連続運転による構成部材の耐久性などのデータを分析し、信頼性の向上につなげていく。
同社では、ベアリング製造で培った技術やノウハウを活用した再エネ事業に取り組んでいる。これまでに、太陽光と風力発電を利用した「ハイブリッド街路灯」(2016年7月販売開始)や、既存の用水路の壁面に置くだけで発電できる「NTNマイクロ水車」(販売予定)などを開発している。