ファナックは2017年4月11~12日に同社の顧客に向けた「新商品発表展示会」を開催、同社などが開発中の産業用IoT基盤(プラットフォーム)「FIELD system」上で動作するアプリケーションソフト(アプリ)のデモを見せた(図1)。FIELD systemは、当初は2016年12月末に出荷予定だったが(関連記事)、開発の遅れにより延期。2017年9月末の出荷を目指している。

図1 「FIELD system」をデモ
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図1 「FIELD system」をデモ

 FIELD systemの狙いは、ネットワークに繋がった工作機械やロボットなどの効率的な管理や制御といった用途である。システムの本体はLinuxを搭載するサーバー上で動作し、Ethernet経由でロボットや工作機械の稼働状況などの情報を集めて、それらを利用したさまざまなアプリを実行できる。アプリはファナックだけでなく、あらかじめ登録したパートナー企業が開発可能。あたかもスマホのアプリと同様に、アプリストアを経由してダウンロードや課金、バージョン管理が可能になる計画だ。同社によればパートナー企業(アプリ開発以外のパートナーも含む)は現在までに350社に上るという。

 ただし、具体的にどのようなアプリを開発すれば効果が高いのかは未知数で、当初は手探りの状態が続くとみられる。ファナックはお手本となるアプリを見せることで、パートナー企業の開発を促す狙い。今回展示したアプリはあくまでデモ用だが、9月の出荷時には同様な機能を備えるアプリをファナックから提供することを検討している。なお、アプリの開発に使えるSDKは、契約を結んだパートナー企業に今週から配布するという。