米国の太陽光パネル大手であるサンパワー(SunPower)社は10日、トヨタ自動車の米国現地法人であるToyota Motor Corporation(北米トヨタ)がテキサス州ダラス北部近郊のプレイノ(Plano)で建設中の新社屋で、8.79MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設を開始したと発表した(図)。

北米トヨタの新本社で建設中のメガソーラー。駐車場施設の屋上に2万枚以上のパネルを並べる
北米トヨタの新本社で建設中のメガソーラー。駐車場施設の屋上に2万枚以上のパネルを並べる
(出所:SunPower)
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 北米トヨタは昨年6月に、今回のメガソーラー計画を明らかにしていたが、当時発表された規模は7.75MWで、太陽光パネルのサプライヤーも未公表だった(関連記事)。

 サンパワーによる発表で、北米トヨタが当初の容量を約1MW上回る規模に上方修正したこと、サンパワーの「Eシリーズ」太陽光パネルを採用したことが明らかとなった。

 プレイノの現場では現在、約50人の有資格作業者が、4カ所ある駐車場施設の屋上にパネルを設置している。完成時には、約2万枚のパネルがサッカー場10個分に相当する面積を覆うという。

 北米トヨタ本社が消費する電力需要の約33%を賄え、従来の系統網からの電力への依存度を軽減できるとしている。

 北米トヨタは、新社屋の設計にあたり、数多くの省エネ技術や持続可能性に優れた材料を採用したという。その結果、北米でデファクト標準となっている建築物の環境性能基準である「LEED 」認証で最高水準の「LEED Platinum」を達成すると見込んでいる。

 北米トヨタは過去14年間にわたってサンパワー社製の太陽光パネルを採用してきた。ニュージャージー州コールドウェル(Caldwell)の事業所(1.5MW)、カリフォルニア州オンタリオ(Ontario)の事業所(2.3MW)、同トーレンス(Torrance)のサウスキャンパス本社などで現在、稼働中という。

 今回、プレイノの新本社で建設中のメガソーラーでは、「第三者保有モデル(TPO)」による資金調達スキームを活用した。これにより、建設当初の設備投資費用の負担なく、メガソーラーの建設が可能になった。

 発電した電力は、両社間で締結した電力購入契約(PPA)に基づき、北米トヨタがサンパワーから長期にわたって購入する。同時に、北米トヨタは同メガソーラーによる環境価値も得るという。