具体的な倒産事例を解説

 2016年度の主な倒産企業では、負債額がトップ(約22億円)となったPVG Solutionsは、2017年2月に横浜地裁より破産開始決定を受けた。2007年に太陽電池セルなどの製造・販売を目的に設立され、当初はコンサルティングや製品分析などを手掛けていた。セルでは、両面受光型を製品化していた(関連コラム)。

 ベンチャーキャピタルなどからの出資や金融機関からの借入を原資に、2011年に約20億円を投じて愛媛県西条市に工場を建設した。しかし、安価な海外メーカー製の台頭や、買取価格の下落、借入の返済負担などが重なり、余裕を欠く資金繰りを強いられていた。こうした中、債権、動産譲渡登記の設定や、資産に対する差し押さえなどが相次いでいた。

 太陽エナジー販売(横浜市港北区)は、2016年6月に横浜地裁から破産開始決定を受けた。負債額は、1億4600万円だった。1997年に設立された太陽光発電システム販売・設置工事業者で、FITの施行後に売上高が急増し、2013年9月期の1億9756万円から2015年9月期には6億107万円となっていた。しかし、赤字体質から脱却できない中、比較的、堅調な法人向け大型案件の獲得に乗り出したが、盛り返せなかった。

 住宅向け太陽光システムの販売・施工を中心に、オール電化システムやリフォーム工事などを手がけていたサン・エコイング(兵庫県尼崎市)も、FITを追い風に業容を拡大し、2013年12月期は売上高約2億1000万円を計上した。しかし、競争の激化や買取価格の低下によって受注が減少し、2015年12月期の売上高は約1億円に落ち込んだ。利益も低調で、2016年6月末で事業を停止し、同9月に神戸地裁尼崎支部から破産開始決定を受けた。負債額は1億1300万円だった。