米国のエネルギー大手デュークエナジー(Duke Energy)社は4月6日、フランスの電機大手シュナイダーエレクトリック(Schneider Electric)社の社屋「Boston One」キャンパスでマイクログリッドを構築、運用を開始したと発表した(図)。

米デュークエナジーが仏シュナイダーエレクトリックの北米本社「Boston One」に建設した354kWの「太陽光マイクログリッド」
米デュークエナジーが仏シュナイダーエレクトリックの北米本社「Boston One」に建設した354kWの「太陽光マイクログリッド」
(出所:Duke Energy)
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 Boston Oneはシュナイダー社の北米本社で、米マサチューセッツ州アンドーバー(Andover)にある。アンドーバーは、マサチューセッツ州の州都で最大の都市・ボストンから北に約35kmの郊外に位置し、人口が約3万人の町である。

 デューク社が手がける初めてのマイクログリッドプロジェクトという。

 同社のグループで再生可能エネルギー事業を中心とするDuke Energy Renewables社がマイクログリッドと太陽光発電システムを所有し、長期の電力購入契約(PPA)に基づいてシュナイダー社に売電する。

 太陽光発電システムは、デューク社傘下のRECソーラー社が建設した。RECソーラー社が、この太陽光発電システムのO&M(運用・保守)も行う。1379枚の太陽光パネルを並べ、連系出力は354kWである。年間に52万kWhの発電量を見込む。

 同マイクログリッドには、天然ガスによる発電設備も含まれる。これにより、商用の電力系統が停電で、太陽光発電の見込めない夜間や雨天にも電力の安定供給が可能としている。

 デュークとシュナイダーの両社は、メリーランド州モンゴメリー(Montgomery)郡でもマイクログリッドの構築プロジェクトを共同で進めている(関連記事)。

 モンゴメリー郡の公共施設2カ所で建設するマイクログリッドは、2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)とコージェネレーション(熱電併給)システム型の発電設備2基で構成する。

 Boston Oneのプロジェクトと同様、RECソーラーがメガソーラーを、シュナイダーがマイクログリッドを構築する。年間にメガソーラーで330万kWh、コージェネの発電設備で740万kWhの発電量を見込む。両方を組み合わせることで、年間に3629tの温室効果ガスの排出を抑制できるとしている。