三菱商事は4月7日、オランダ公営の総合エネルギー事業会社Eneco(エネコ)社と折半出資で設立したEnspireME(エンスパイア ミー)社を通じて、大規模蓄電池システムを利用したサービスを開始すると発表した。
EnspireME社は、ドイツ北部シュレスビヒ・ホルシュタイン州ヤルデルント地区に蓄電池システムを設置し、2017年末に完工する予定。
蓄電可能な容量は約50MWで、1カ所に設置される蓄電池システムとしては欧州では最大規模になるという。同システムを用いて、予備電力市場向けサービスや再生可能エネルギー発電事業者向けの出力調整サービス(アンシラリーサービス)などを、ドイツを中心とした周辺諸国に提供する。
さらに、三菱商事とEneco社が共同運営する洋上風力発電設備にも活用し、事業価値の向上を目指す。
欧州では、2015年に「パリ協定」が採択されたのに伴い、温室効果ガスの削減を加速すべく、再エネの積極的な導入促進策が進められている。ただ、自然条件によって出力が変動する太陽光や風力の電力が大量に送電系統に流れ込むことから、系統安定化が大きな課題となっている。蓄電池システムの導入は有効な解決策として注目されている。