図●NEDOによる太陽光発電技術のロードップ
図●NEDOによる太陽光発電技術のロードップ
(出所:「太陽光発電開発戦略・NEDO PV Challenges」)
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 内閣府は3月24日、エネルギー・環境イノベーション戦略策定ワーキンググループの第4回会合を開催し、「エネルギー・環境イノベーション戦略」のとりまとめ案を公表した。次世代太陽光発電では、「変換効率2倍」「発電コスト7円/kWh以下」を掲げた。

 同戦略は、2015年末に開催された第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で、温暖化対策の長期目標が「世界全体の平均気温の上昇を2℃より十分低く保つこと」と言及したことを受け、2050年頃の長期的視点に立った抜本的な温室効果ガス削減を実現するイノベーション創出を目指して作成した。

 総合科学技術・イノベーション会議で作成した「環境エネルギー技術革新計画」(2015年9月改訂)が、短中期(2030年頃まで)と中長期(2030年以降)で実用化の見込まれる技術を対象としたのに対し、「エネルギー・環境イノベーション戦略」では、現在技術との非連続性が高く、インパクトの大きい革新技術を挙げた。

 分野別には7つを選んだ。(1)革新的生産プロセス、(2)超軽量・耐熱構造材料、(3)次世代蓄電池、(4)水素等製造・貯蔵・利用、(5)次世代太陽光発電、(6)次世代地熱発電、(7)CO2固定化・有効利用――

 蓄電池と水素製造は、太陽光・風力の出力変動を吸収する技術としての役割が大きいことから、これらを合わせると7分野のうち、4分野が再生可能エネルギー関連となった。

 次世代太陽光発電分野では、技術インパクトを「現在普及している太陽光の2倍の変換効率」「製造・設置コストの低減、発電効率の大幅向上により、基幹電源並みの発電コスト(7円/kWh)を実現する」と明記した。これらのインパクト予測は、NEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)が2014年9月に出した「太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)」と整合を持たせている(図)。

 革新技術としては、現在の太陽電池とはまったく異なる新構造・新材料を利用したものとして、「量子ドット」「ペロブスカイト」を挙げた。