「日高庫富太陽光発電所」
「日高庫富太陽光発電所」
(出所:フージャースホールディングス)
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 マンション建設・販売のフージャースホールディングスは4月3日、北海道沙流郡日高町に蓄電池システムを併設したメガソーラー(大規模太陽光発電所)「日高庫富太陽光発電所」を稼働したと発表した。

 メガソーラーの出力は、太陽光パネルの設置容量・約10.2MW、連系出力・9MWで、蓄電池システムの容量は3600kWh(3.6MWh)となる。発電事業の主体は、同社の連結子会社であるフージャースコーポレーション(東京都千代田)となる。

 事業用地は、日高町字庫富にある25万5318m2の遊休地で、かつて牧場として使われていた。中国インリー・グリーンエナジー製の太陽光パネル(255W/枚)を約4万枚並べた。年間発電量は、約1200万kWhを見込み、北海道電力に売電する。総事業費は約40億円。

 北海道電力は、接続申し込みが400MWを超えた分のメガソーラーについては、連系の条件として、蓄電池を併設して、急峻な出力変動(短周期変動)を緩和することを求めている。相対的に系統規模が小さく、系統周波数への影響が大きいためだ。具体的には、メガソーラー出力の変動幅を、蓄電池の充放電制御と連係した合成出力で、1分間にPCS定格出力の1%以内に収めるという指標を示している。

 フージャースホールディングスが日高町に建設するメガソーラー事業も、この条件に該当することから、蓄電池システムを設置し、太陽光発電の急峻な出力変動を平滑化する。蓄電池システムには、韓国メーカー製のLiイオンキャパシタを採用する。

 太陽光出力の短周期変動対策として、メガソーラーへの蓄電池併設を求められているのは、北海道のほか、九州電力管内の離島がある。鹿児島県徳之島では、すでに蓄電池併設型メガソーラーが稼働しているが、北海道内で併設型メガソーラーが稼働したのは「日高庫富太陽光発電所」が初めてとなる(関連記事1)。また、道内でも複数の計画が発表されている(関連記事2)。

 Liイオンキャパシタは、Liイオン電池の負極と電気二重層コンデンサ(キャパシタ)の正極を組み合わせた構造を持ち、相対的に高い出力密度(kW)と高いエネルギー密度(kWh)を両立できるとされている。設置したLiイオンキャパシタのシステム構成は、2.744kWh×12直列×13並列×9バンクとなる。

 今回の蓄電池併設型メガソーラーの設計・施工は、北弘電社が担当した。メガソーラーと蓄電池システムのパワーコンディショナー(PCS)には、富士電機製を採用した。