日本で開発したメガソーラーの例
日本で開発したメガソーラーの例
(出所:カナディアン・ソーラー・ジャパン)
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 太陽光パネル大手のカナディアン・ソーラーは4月3日、群馬県で開発中の出力約19MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)向けに、ゴールドマン・サックス・ジャパンと約54億円の資金調達に関する契約を締結したと発表した。

 ゴールドマン・サックス・ジャパンによる「グリーンプロジェクトボンド(green project bond)」を、カナディアン・ソーラーが活用する2つ目の案件としている。

 開発しているメガソーラーは、「群馬新巻発電所」で、群馬県利根郡みなかみ町に立地する。出力は19.05MWである。

 2017年12月に商業運転を開始する予定。売電価格は36円/kWh(税抜き)で、稼働後は東京電力グループに売電する。

 今回のメガソーラープロジェクトに対して、日本格付研究所は、日本国内の太陽光発電分野では最高となる債券格付け「A」(シングルAフラット)と評価した。

 また、三井住友フィナンシャルグループの日本総合研究所から、グリーンボンドの独立認証(independent certification for the designation as green bond)を取得したとしている。

 プロジェクトボンドは、二つの構成となり、dual-tenor green project bondと呼んでいる。それぞれ満期が1.5年と20.3年となっている。この仕組みによって、メガソーラープロジェクトの長期にわたる資金調達を実現するとともに、投資価値も最大化できるとしている。

 資産担保型ノンリコース債(asset-backed non-recourse bond)が発行され、当初の1.5年の期間は、年率1.2875%の固定金利となる。カナディアン・ソーラーがオプションを行使して期間を延長した場合、その後の期間は年率1.3588%の固定金利となる。

 ゴールドマン・サックス・ジャパンが債権の組成者(アレンジャー)、日立キャピタル信託が受託者をそれぞれ務める。

 カナディアン・ソーラーによると、日本の低い金利水準を生かし、今後もグリーンプロジェクトボンドを活用していきたいとしている。