イタリアの電力最大手であるエネル(Enel)社は4月4日、メキシコで容量238MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「Don José」の建設を開始したと発表した。

 再生可能エネルギー事業をメキシコで行うために設立したグループ会社、エネル・グリーン・パワー・メキシコ(EGPM)社を通じて進める。

 メキシコ中部にあるグアナフアト(Guanajuato)州のサンルイ・デ・ラパス(San Luis de la Paz)に立地し、投資額は約2億2000万ドルで、2018年の稼働を見込む。

 年間予想発電量は539GWh。メキシコの住宅約41万軒分の年間電力使用量に相当し、24万5000tの温室効果ガス排出量を抑制できるとしている。

 EGPMは、設備容量ベースでメキシコ最大の再生可能エネルギー事業者という。同社は3月末にも設備容量754MWのメガソーラー「Villanueva」の建設開始を発表したばかり。Villanuevaは、建設中のメガソーラーとしては米州最大という。

 これら2カ所のメガソーラーの設備容量の合計は、約1GWとなる。いずれのプロジェクトもメキシコ政府の連邦電力委員会(CFE)との電力購入契約(PPA)に基づく。完成後、CFEが15年間にわたって電力を買い取る。これと関連した20年間のグリーン電力証書による収益も見込む。

 エネルは傘下の再エネ発電事業者であるエネル・グリーン・パワー社を通じてグローバルにプロジェクトの開発を進めている。

 南米ではメキシコ以外にもチリ、ペルー、ブラジルなどで風力や太陽光のプロジェクトを開発している(関連記事1)(関連記事2)。米州だけでなくアフリカなどでも、数十MW規模でメガソーラーの建設や運営に取り組んでいる(関連記事3)。