水素の製造に関する研究を開始
水素の製造に関する研究を開始
(出所:東北電力)
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導入する設備
導入する設備
(出所:東北電力)
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蓄電池と同様の出力変動の吸収効果を期待
蓄電池と同様の出力変動の吸収効果を期待
(出所:東北電力)
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 東北電力は3月31日、再生可能エネルギーの導入の拡大に向け、水素の製造に関する研究を開始すると発表した。再エネの出力変動の調整に使う。

 4月から、研究システムの詳細設計を始め、機器を設置後、2017年3月に水素の製造などの研究を開始する予定としている。

 再エネの出力変動への対応として、東北電力では、国の実証事業において蓄電池を活用した対策に取り組んできた。水素の製造は、蓄電池による対策と同様の効果を期待しているとする。

 仙台市青葉区にある研究開発センターに、太陽光発電システムや水素製造装置などを導入する。太陽光発電電力を使って水素を製造・貯蔵し、貯めた水素を燃料に使い、研究開発センターで使う電力を発電する。

 導入する太陽光発電システムの出力は約50kWで、容量が約60kWhの蓄電池、生成能力が約5Nm3/hの水電解水素製造装置、容量が約200Nm3(約300kWhの放電相当)の水素吸蔵合金方式の水素貯蔵タンク、出力10kW未満の燃料電池となる。

 出力変動の大きい太陽光発電電力を水素の製造に使い、変動を吸収することで、水素製造技術が蓄電池と同様に、再エネの導入拡大に伴う出力変動対策として適用可能かを検証する。

 東北地方では、産業技術総合研究所の「福島再生可能エネルギー研究所(FREA)」でも、再エネの大量導入に伴う水素システムの活用に関する研究開発を進めている。