米DCO Energy社とニュージャージー州モントクレアのモントクレア州立大学(Montclair State University)は3月28日、これまでの両者による提携関係を拡大し、同大学のキャンパスに最新のマイクログリッドを建設すると発表した。

 DCO社は、2012年にモントクレア州立大でコージェネレーション(熱電併給)システムを設置している(図)。このシステムによって、同大学の冷暖房を含む光熱費が低減され、温室効果ガスの抑制に寄与しているとする。このプロジェクトの成功が、今回のマイクログリッド建設の決め手になったという。

米ニュージャージー州モントクレアのモントクレア州立大学。2012年に設置したコージェネシステムが学内の電力や空調熱源を供給しているという
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米ニュージャージー州モントクレアのモントクレア州立大学。2012年に設置したコージェネシステムが学内の電力や空調熱源を供給しているという
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米ニュージャージー州モントクレアのモントクレア州立大学。2012年に設置したコージェネシステムが学内の電力や空調熱源を供給しているという
(出所:DCO Energy)

 マイクログリッドでは、再生可能エネルギーとして太陽光発電を導入する。同大学は市街地に立地しているため、別の場所に建設する2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)による電力を活用するという。

 この太陽光による電力を、既に設置済みの4029kW(4.029MW)と4500kW(4.5MW)のガスタービン発電機などと組み合わせることでマイクログリッドを構築する。現時点では、定置型蓄電池は使用しない計画である。

 2017年第4四半期の完工を見込んでおり、完成すればニュージャージー州ではまだ数少ない大学設置型のマイクログリッドの一つになるという。光熱費の抑制やクリーンエネルギーの活用とともに、系統網で停電が発生した場合でも同大学の電力供給を維持できることが大きなメリットになるとしている。

 DCO Energy社は、エネルギー関連の事業開発やソリューション提供を手掛ける独立系の企業。再エネやコージェネの分野で、EPC(設計・調達・施工)サービスやO&M(運用・保守)の実績が豊富という。

 コージェネの設置では、官民連携(Public-Private Partnership:PPP)事業として大学側が初期投資を負担することなく、民間側の資本金や債券でプロジェクトの費用を賄った。

 今回のマイクログリッドでも、DCO Energy社やUMM Energy Partners社といった企業がプロジェクトの初期費用を賄う。一方、これらの事業者は、大学側が約25年間にわたって支払うエネルギーの利用料から資本や債権の回収や収益化を行うという仕組みである。