経年時の太陽光パネルの出力低下が課題に
経年時の太陽光パネルの出力低下が課題に
福岡県のメガソーラーにおける点検例(出所:日経BP)
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 太陽光パネル大手のハンファQセルズは3月16日、太陽光発電システムの「リパワリング」に関して、ドイツのアドラーソーラーと契約を締結したと発表した。

 「リパワリング」とは、年月を経て出力が低下してきた既存の発電設備に対して、部材の交換や、設備の追加により出力を回復する手法を指す。

 太陽光発電所に導入された発電設備が、年月を経て導入当初よりも性能が低下すると、発電事業者にとって、事業性が計画を下回ってくることも予想される。

 こうした発電所に対して、本来出力できる性能を回復することで、売電ロスを少なくする。固定買取価格制度(FIT)を活用している発電所の場合、発電事業者だけでなく、金融機関や投資家にとっても利点が多いとしている。残りのライフサイクルで利益を最大化し、ROI(投下資本利益率)を確保できるためである。

 現状の調査を踏まえ、リパワリングによる事業性の分析、資金調達の手法などを決め、進められる。

 両社は、リパワリングに関して、長期的に提携している。今回は、出力25MW分の供給契約を結んだ。

 アドラーソーラーのリパワリング事業向けに、ハンファQセルズは出力30MWへのアップグレードのオプション付きで、太陽光パネル「Q.PLUS」を出力25MW分、供給する。

 オプションが行使されると、出力5MW分が追加となる。