導入設備の利用イメージ
導入設備の利用イメージ
(出所:日本アジアグループ)
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生きがい健康センターの太陽光パネル
生きがい健康センターの太陽光パネル
(出所:日本アジアグループ)
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太陽光由来の電気で充電
太陽光由来の電気で充電
(出所:日本アジアグループ)
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 日本アジアグループ傘下の国際航業(東京都千代田区)は3月、東京都神津島村において、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた自家消費型システムを構築・稼働したと発表した。

 島内3カ所の公共施設に合計28kWの太陽光発電設備を設置し、うち2カ所に合計22.4kWhのLiイオン蓄電池を導入した。加えて、3施設に電気自動車(EV)用の充電スタンドを設置した。

 太陽光パネルはすべてパナソニック製、太陽光パネルと蓄電池のパワーコンディショナー(PCS)は、2施設でパナソニック、1施設で安川電機製を採用した。EV充電器はパナソニック製を設置した。

 固定価格買取制度(FIT)で売電せず、全量を自家消費する。平常時は、太陽光パネルの発電電力を施設内で使いつつ、余剰分を蓄電池に充電する。

 非常時は、太陽光発電を自立運転し、余剰分を充電する。島内にある2台のEV(各10.5kWh内蔵)に太陽光由来の電気を充電し、他の施設に移動して、放電(電力供給)することで、再生可能エネルギー由来の電気を島内で融通できるという。

 今回の再エネ活用プロジェクトは、「自然再生エネルギーの構築に関する提案および設計業務」「神津島村公共施設太陽光発電設備等設置工事基本設計及び工事監理業務」を受託したもの。自立分散電源、災害時のエネルギーの自立を目指す。

 国際航業によると、「離島では、塩害や資材の調達難、少ない交通手段などから通常、こうした太陽光発電システムの構築・運営は難しいとされていた」という。

 蓄電池とEVの活用で天候に左右される太陽光発電の課題を解消し、ディーゼル発電の利用を減らす今回のスキームは、他の地域でも応用できるとしている。