米Standard Solar社は3月29日、ワシントンDC内で28カ所の建物屋上に設置した太陽光発電システムが完成し、発電を開始したと発表した。同社は、太陽光発電システムの設置や資金調達などの業務を全米で手掛けている。

 このプロジェクトは、コロンビア特別区(DC)の一般サービス部(DGS)が進めていたもの。同区が所有する28カ所の学校や教育機関、警察署や消防署の屋上に、設備容量の合計が7MWとなる太陽光発電システムを設置した。

図1●米Standard Solar社がワシントンDC内で区が所有する建物屋上に設置した太陽光パネル
図1●米Standard Solar社がワシントンDC内で区が所有する建物屋上に設置した太陽光パネル
(出所: Standard Solar)
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 今回の完工により、2015年と比較して太陽光発電の容量が約70%増加したという。

 ワシントンDCを拠点としエネルギー分野を専門とするエンジニアリング会社である米Nextility社、太陽光発電の開発や資金調達を専門とする米Sol Systems社も今回のプロジェクトに関わり、電力購入契約(PPA)や資金調達を手掛けた。

図2●米Standard Solar社がワシントンDC内で太陽光パネル設置作業を行う様子
図2●米Standard Solar社がワシントンDC内で太陽光パネル設置作業を行う様子
(出所: Standard Solar)
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 都市における太陽光発電プロジェクトとしては全米でも最大規模のプロジェクトの1つになるという。太陽光発電システムの施工期間中には140人以上の雇用をワシントンDCで創出し、O&M(運用・保守)でも常勤の職員を雇用するとしている。

 年間に約7800MWhの発電量を見込む。これは、DGSが年間に消費する電力量の約3%に相当し、夏期のピーク電力需要の削減に寄与するという。太陽光発電を設置したビルでは、消費電力の約20%が太陽光で賄われる。

 プロジェクトを主導したDGSのMuriel Bowser区長は、「ワシントンDC政府の資産を活用した太陽光エネルギー活用や持続可能性は、政府のコミットメントだ。また、再生可能エネルギー活用とコスト削減だけでなく、地元経済が活性化され、中小規模の事業者が発展し、雇用創出にも繋がる」と述べている。