米国の太陽光発電に関する業界団体である太陽光発エネルギー産業協会(SEIA)は3月29日、全米の消費者を対象とした啓もうキャンペーンを開始した。消費者に情報を提供し保護すると同時に、太陽光発電を導入する過程をより簡単にする目的がある。

 SEIAは過去2年間にわたって消費者の保護に取り組んでいる。その活動を補完するため、新しい書式を公開した(図)。購入やリース、電力購入契約(PPA)など、住宅用太陽光発電システムを導入する際に必要となる取引形態をすべてカバーしている。

住宅用太陽光発電システムの導入支援ツールとして米SEIAが新たに公開した書式の例。購入、リース、電力購入契約とシステム導入時の取引形態をすべて網羅している
住宅用太陽光発電システムの導入支援ツールとして米SEIAが新たに公開した書式の例。購入、リース、電力購入契約とシステム導入時の取引形態をすべて網羅している
(出所:SEIA)
[画像のクリックで拡大表示]

 消費者がそれらを活用することにより、太陽光発電の基本を理解したうえで、事業者に適切に質問し、事業者や案件を比較したり、期待発電量を確認したりできるという。

 SEIAはこれらの情報を州知事、司法長官、消費者支援団体、公益事業委員会、太陽光発電システムの事業者、金融機関など全米50州の関係者に提供している。同時に、報道機関に対しても働きかけ、太陽光発電の導入を検討している消費者に、それらの情報が行き渡るようにしていく。

 SEIAによると、現在米国では140万軒の住宅に太陽光発電システムが設置されており、業界はさらに300万世帯が2021年までに太陽光発電を導入すると見込んでいる。

 SEIAのアビゲイル・ロス・ホッパー代表は、「多くの米国人にとって太陽光はまだ新しい選択肢だ。消費者や関係者が今回のツールを活用して太陽光の導入に関する理解を深めることで、安心して決断できるようになる」と述べている。