日本医師会(日医)は、日医会員の場合にこれまで年会費5000円(税別)だった医師資格証の年間利用料を無料にする。2016年3月30日に実施した定例記者会見で発表した。

説明する、日本医師会 常任理事の石川広己氏
説明する、日本医師会 常任理事の石川広己氏
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 医師資格証は、厚生労働省の保健医療福祉分野公開鍵基盤(HPKI)に準拠する医師資格を証明するICチップ内蔵の証明書。日本医師会が、発行と運用を行っている。

 今回の費用見直しの背景には、医師資格証(HPKI)の普及を加速させたい日本医師会の狙いがある。同時に、2016年に入ってから、これまで用途が不明確な部分もあった医師資格証(HPKI)の具体的な利用ケースが幾つか出てきていることにも対応した格好だ。

 例えば、2016年度診療報酬改定で算定対象となった診療情報提供書(紹介状)の電子的な送受では、要件としてHPKIによる電子署名を施すことが求められている(関連記事)。また、2016年4月に解禁となる電子処方箋においても、HPKIを利用した登録者(医師)と取得者(薬剤師)の認証が必要になる(関連記事)。この他、日本航空(JAL)では急病人への対応に際して2016年2月から医師資格証を用いた医師登録制度をスタートしている(関連記事)