武蔵溝ノ口駅に導入されるシステムの構成
武蔵溝ノ口駅に導入されるシステムの構成
(出所:東芝)
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 東芝は3月24日、東日本旅客鉄道(JR東日本)から、自立型の水素エネルギー供給システム「H2One」を受注したと発表した。

 JR南武線の武蔵溝ノ口駅(川崎市)に設置され、2017年春に稼働を開始する。

 納入する水素エネルギー供給システムは、独自の水素エネルギー管理システムにより、再生可能エネルギーと水素を活用し、電力を安定的に供給できるCO2フリーの自立型水素エネルギー供給システムとする。

 太陽光発電、蓄電池、水素製造装置、水素貯蔵タンク、純水素燃料電池によって構成されている。

 今回受注したシステムは、BCP(事業継続計画)対応モデルとして展開しているもので、地震などの災害時にライフラインが寸断された場合でも、系統の電源に頼ることなく、必要なエネルギーを自給自足できる。

 屋上に設置した太陽光パネルが発電した電力で水素を製造し、水素タンクに貯蔵する。災害時には、水素タンクに貯まっている水素を使って燃料電池で発電し、駅舎の一部の照明などに必要な電力を供給する。

 平常時にも、電力を供給できるほか、水素の製造量、蓄電量、発電量などを最適に制御できる。

 JR東日本と川崎市は、燃料電池を活用した「エコステ」(省エネルギー、再エネといった環境保全技術を導入した駅)など、水素エネルギーの利活用に取り組んでいる。コミュニティー施設「川崎マリエン」での実証事業など、東芝の水素利活用の取り組みと「エコステ」の親和性が高いことから、今回の受注に至ったとしている。