図1:展示室
図1:展示室
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図2:展示作品
図2:展示作品
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図3:スプリングジュエリー
図3:スプリングジュエリー
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図4:「ESTORO ROBOT」
図4:「ESTORO ROBOT」
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 アルミ(Al)合金の鋳造型や鍛造型、プレス金型などを設計・製作するフジタ(本社富山県高岡市)は2017年4月8日、第2工場(高岡市)の一角に金属製アート作品の展示施設「Factory Art Museum TOYAMA」をグランドオープンさせる(図1、2)。1階の展示室に日本各地の町工場で働く人の作品を展示する他、2階のフリースペースではワークショップやセミナーも開催する。

 展示室には、同社の他、ケイ・ピー・ディ(本社東京)やロッキー化成(本社横浜市)、富山プレート(本社富山県・上市町)、中辻金型工業(本社大阪府東大阪市)などが出展する予定。ワークショップとしてはまず、「スプリングジュエリーをクリエイターと一緒に作っちゃおう!」と「細穴放電された、ESTORO ROBOTを一緒に作っちゃおう!」を同日に開催する。前者では、デザイナーの西村拓紀氏と造形アーティストの志喜屋徹氏を講師に迎え、ばねを使ってアクセサリーを作る(図3)。後者では、エストロラボ(本社大阪府東大阪市)が手掛ける「ESTORO ROBOT」を製作する(図4)。

 設立のきっかけは、同社代表取締役で同施設の館長でもある梶川貴子氏の「町工場にある工作機械で作られたアート作品を鑑賞できる場所があったら、遠くても行ってみたい」(クラウドファンディングサイト「Zenmono」のプロジェクト紹介ページ、以下、発言内容は同)という想いだ。富山県は、人口1人当たりの美術館の数が日本で最も多く、水墨画やカメラ、絵本、ガラスなどに特化した美術館がある。にもかかわらず「金属に特化した美術館がないのはなぜだろう」と同氏は疑問を持った。そして「うちの工場にある工作機械で、何か創ろうと思えば創れるのでは?」「どこにもないのであれば、自分で作っちゃえ!!」と考えたのだという。

 同氏は「町工場にメタルアートミュージアムを作るプロジェクト」を立ち上げ、2016年1~3月にenmono(本社東京)が運営する「Zenmono」でクラウドファンディングを実施。その結果、目標金属の257%の資金を集めることに成功した。その資金を元に、2016年11月に1階の展示スペースを完成させ、これまでプレオープンの形で公開していた。