「モンキー・ドローン」の機体
「モンキー・ドローン」の機体
(撮影:日経BP)
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サルのようにぶら下がって移動する
サルのようにぶら下がって移動する
(撮影:日経BP)
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 工場内の生産システムなどを手掛けるフカデン(愛知県豊田市)は、ドローン(無人小型飛行体)関連の展示会であるJapan Drone 2017 (3月23日~25日開催)において、電線やケーブルなどにぶら下げて移動させ、電力設備や橋などの点検に使うドローンのコンセプトを出展した。

 同社は、太陽光や風力といった再生可能エネルギー発電設備向けのほか、送電線など幅広い電力関連の点検作業への応用を検討してきた。中部電力と共同開発した例もある。

 電線やケーブルなどにぶら下げるタイプは、「モンキー・ドローン」と称して展示した。

 サルの手のように、電線やケーブルにぶら下がるためのアームを備えている。電線やケーブルを支えとして水平方向に移動し、周囲の状況を撮影できる。

 水平方向の移動性の高さと、上空作業の安全性を両立できるとしている。

 ドローンに取り付けたカメラは、ジンバル(カメラ固定用の部材)によって、撮影する方向を変えられる。例えば、ドローンの真上も撮影できるという。

 電線やケーブルと接触する部分は、滑りやすい材料で構成しており、電線やケーブルを傷つけないように工夫した。

 応用例として、橋の点検などに加え、送電線などの電力設備も想定している。高圧配電線の点検に使う場合は、電線の周辺に生じる電磁波を考慮する必要がある。

 無線通信によってドローンを操作したり、撮影データを送信している場合、電磁波によって、通信に影響を及ぼす恐れがあるという。これを避ける方法として、有線による通信を提案している。同社では、有線で給電しながら飛ばすタイプのドローンの開発実績があり、この技術を応用する。