3月22日の事業・新製品説明会に登壇したフィリップスの内田氏
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OSを刷新
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テーブルサイドであらゆる操作を可能に
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カテ室と操作室での完全並行処理を実現
カテ室と操作室での完全並行処理を実現
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手技時間を短縮
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 フィリップス エレクトロニクス ジャパンは2017年3月22日、X線血管撮影装置の新製品「Azurion」を発売した。虚血性心疾患などのカテーテル治療に向ける。「Connect OS」と呼ぶ新たなオペレーティングシステムを搭載。他社の周辺機器を含む検査室(カテ室)内の機器情報を1つのパネルに表示し、直感的に操作できるようにするなど、カテーテル治療の「ワークフローイノベーション」(同社 Image Guided Therapy ビジネスマーケティンググループ 統括グループ長の内田貴之氏)を目指した。

 Connect OSは「直感的に操作できる独自のユーザーインターフェースを採用した」(内田氏)ことが大きな特徴。併せて周辺機器との連携や、カテ室と検査室の連携を強化し、ワークフローを大幅に改善できるようにした。具体的には(1)テーブルサイドでの術者の操作性向上、(2)周辺機器の統合操作、(3)操作室と検査室での並行処理、などを実現している。

 (1)では、術者が手元のタッチパネルやマウスで、さまざまなアプリケーションや機器を操作できるようにした。撮影済み画像の呼び出しや再生、アームポジションの保存や呼び出し、撮影フレームレートや線量モードの変更、各種の解析処理など、さまざまな操作が手元で可能だ。

 (2)では、カテ室内のさまざまな周辺機器を、操作室で統合的に操作できるようにした。PACSや動画サーバー、ポリグラフ、IVUS(血管内超音波検査装置)など、他社製品を含む最大11種類の周辺機器を1つのコンソールから操作できる。

 (3)は「インスタントパラレルワーキング」と呼ぶ機能。カテ室と操作室でのマルチタスク処理を可能とするもので、術者とコメディカルスタッフが互いの作業を中断させることなく、独立して操作できる。例えば「透視・撮影」「画像参照」といったカテ室での作業と、「画像操作・解析」「画像選択・転送」といった操作室での作業を並行して行えるようにした。これにより、カテーテル治療のトータルの手技時間を短縮できるようにした。試験施設での検証では「2桁%以上の時間短縮効果が得られている」(内田氏)という。

 このほか、症例に合わせた条件設定を装置側で支援する機能を導入し、セットアップ時間も短くできるようにした。ルーチン手技や複雑な手技の「標準化とカスタマイズの両方に対応できる」(内田氏)仕組みだ。