登壇したQualcomm社のSeung H. Kang氏
登壇したQualcomm社のSeung H. Kang氏
[画像のクリックで拡大表示]

 米Qualcomm社は、磁気メモリーであるMRAMの研究開発戦略を明らかにした。2017年3月21日に東京都内で開かれた「3rd CIES Technology Forum」の招待講演「What’s Next for MRAM beyond Early Adopters?」で同社のSeung H. Kang氏が語った。CIESは、東北大学の国際集積エレクトロニクス研究開発センターである。

 Kang氏によれば、Qualcomm社は大きく2つのフェーズに分けて、MRAMの研究開発を進めているという。第1フェーズが、製品開発段階に相当するもので、具体的にはIoT(Internet of Things)機器やウエアラブル端末、セキュリティー向け、車載向けの半導体での活用である。これらの用途で、コードおよびデータ格納用の混載不揮発性メモリーや低速SRAMをMRAMで代替することを検討している。テクノロジー・ノードとしては、台湾TSMCの28nm世代HPCプロセス、韓国Samsung Electronics社の28nm世代FD-SOIプロセス、および米GLOBALFOUNDRIES社の22nm世代FD-SOIプロセスを想定する。

 第2フェーズが、研究段階に相当するもので、データセンター向けSoC(system on a chip)やモバイル機器向けアプリケーション・プロセッサーに集積されている3次キャッシュ用途の高密度SRAMの代替を目指す試みである。テクノロジー・ノードとしては、7nm世代のTSMCプロセスや5nm世代のプロセスを想定する。