試験的に設置した金属基板の超軽量パネル
試験的に設置した金属基板の超軽量パネル
(出所:ソーラーフロンティア)
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 太陽光パネル大手のソーラーフロンティアが事業戦略を転換する。コスト競争力を前面に出した製品戦略から、高付加価値型品を軸とした製品開発を強化し、収益性を高める。

 同社はすでに昨年12月、住宅屋根に特化したシステム商品「SmaCIS(スマシス)」を発売した。これに続き、今秋には、190W/枚程度、来年以降、200W/枚を超える高出力パネルを商品化する。

 加えて、金属基板を採用した超軽量パネルを2019年に販売する目標を掲げ、開発を強化している。住宅や大規模施設の屋根上など、製品の特長を生かせる市場を中心に据える。

 ソーラーフロンティアは、CIS化合物型薄膜太陽光パネルで世界トップの実績を持つ。従来、大量生産に向く薄膜太陽電池の特徴を生かし、「世界トップクラスのコスト力」を目指し、国内外のメガソーラー(大規模太陽光発電所)からの受注をターゲットにしてきた。

 だが、ここにきて、中国企業を中心とした結晶シリコン型太陽光パネル陣営の低価格攻勢が激化している。ソーラーフロンティアでは、現在の太陽光パネル市場を、「低価格競争にどこまで耐えられるかを競う企業の総合力が問われ始め、投資と資金力の物量戦になってきた」と分析し、単純な低価格競争から脱し、付加価値の評価される市場に軸足を移す。

 現在、同社が販売している太陽光パネルの出力は、170W/枚と175W/枚が主力となっているが、今秋には190W/枚のハイエンド製品の商品化を予定している。さらに来年には200W/枚の販売も目標にしている。