3月に連系
3月に連系
(出所:ジンコソーラーホールディング)
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 太陽光パネル大手の中国ジンコソーラーホールディングは3月21日、鹿児島県の奄美群島の一つ、徳之島にある蓄電池併設型のメガソーラー(大規模太陽光発電所)にパネルを供給したと発表した。

 出力270W/枚のパネルを9614枚、出力2.596MW分を納入した。メガソーラーの施工費は、約12億円としている。3月に系統連系する予定。

 EPC(設計・調達・施工)サービス、O&M(運用・保守)は、ユニバーサルエコロジー(名古屋市中区)が担当している。

 ユニバーサルエコロジーによると、この蓄電池併設型メガソーラーは、太陽光パネル出力2.596MWに対し、パワーコンディショナー(PCS)出力は1.75MWである。

 PCSは、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。出力750kW機・1台、同500kW機・2台を導入した。

 蓄電池は、Liイオン蓄電池を採用し、出力2MW・容量1.029MWhとなっている。蓄電池システムは、TMEIC製「TMBCS」を採用した。コンテナに収めた出力500kW品を4台で構成した。

 徳之島は離島のため、電力系統の規模が小さいことから、太陽光発電の出力変動の影響を受けやすく、周波数変動など電力品質が悪化しやすい。最悪の場合、全島が停電する恐れがある。こうしたトラブルを防ぐために蓄電池を使う。

 蓄電池は、こうした短周期の変動抑制に使われる。この蓄電池を使った短周期抑制蓄電制御システムにより、太陽光発電電力は全量、蓄電池に貯め、蓄電池から随時、系統に送電することで、電圧を安定させる。

 こうした短周期の変動抑制を目的とした蓄電池システムは、徳之島で2015年に、北海道で2016年に稼働した例がある。

 今回の徳之島のメガソーラーでは、蓄電池セル単位をリアルタイムに監視し、充放電や保護機能などを制御するという。これによって、安全性と信頼性を向上した上、蓄電池の長寿命化にも寄与するとしている。

 この蓄電池システムは、経済産業省系の環境共創イニシアチブ(SII)の補助金を活用して導入した。同補助金による、短周期変動抑制向けの蓄電池の導入は初の例としている。