衣浦事業場内にある貯木場跡の池に設置
衣浦事業場内にある貯木場跡の池に設置
(出所:イビデン)
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 プリント基板などを手掛けるイビデンは3月14日、衣浦事業場(愛知県高浜市)内に、出力1.99MWの水上設置型のメガソーラー(大規模太陽光発電所)が竣工したと発表した。

 2月15日に発電を開始していた。発電事業者は、子会社のイビデンエンジニアリング(岐阜県大垣市)となる。

 衣浦事業場内にある貯木場跡の池に設置し、太陽光パネルや接続箱などを水上に固定する資材であるフロートは、自社で開発したものを採用した。7680枚の太陽光パネルを浮かべた。

 イビデンエンジニアリングによると、結晶シリコン型の太陽光パネルは、気温が上がる夏に出力が低下する課題がある。水の上に浮かべることで、水によるパネルの冷却効果により、地上設置型に比べ、5%程度の発電量の増加が期待できるとしている。

 年間発電量は、一般家庭約660世帯分の消費電力に相当する、約2400MWhを見込んでいる。

 フロートは、軽量で、かつ、腐食に強い高密度ポリエチレンを使って開発した。2056mm×600mmの足場と、1514mm×400mmの本体という、二つの部位で構成した。

 本体は、太陽光パネルや接続箱を固定する部分で、高密度ポリエチレンに発泡体を充填して製造した。足場は、作業のための歩廊として使う部分で、発泡体を充填しない中空フロートとした。

 中空フロートは、フロート群の外周にも設置する。この場合、中に水を注入して設置し、歩行の安定性の向上と、風による巻き上げの予防に使う。

 太陽光パネルの設置角は10度とした。太陽光パネルは、JAソーラー・ホールディングス製を採用した。パワーコンディショナー(PCS)はダイヘン製を採用した。