マウイ島の実証、実用化に手ごたえ

5000台でマウイ島の風力発電の余剰分を吸収できる
5000台でマウイ島の風力発電の余剰分を吸収できる
(出所:日産自動車)
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1600台でマウイ島の充放電制御をマネジメント
1600台でマウイ島の充放電制御をマネジメント
(出所:日産自動車)
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 地域でこうした使い方を実現するための実証実験の現状も紹介した。

 まず、米ハワイ州のマウイ島における例がある。風力発電からの電力を貯め、電力需要の多い時間帯に放電する役割を、「リーフ」の蓄電池が担っている。

 日米両政府の合意の下、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によるプロジェクトで、日立製作所などが取り組んでいる。

 志賀副会長によると、マウイ島にある風力発電の1日の発電量は、約32MWhと恵まれているものの、朝の発電量が多く、電力需要の多い夕方から夜とは時間がずれている。そこで、朝方の余剰電力を「リーフ」に貯め、島内における化石燃料による発電を極力、減らしている。

 まずは、EVの充電に関して、化石燃料による火力発電の利用を低減することから検証し始めた。現在は、次の段階として、風力の余剰電力を貯めた「リーフ」を、夕方や夜になると、電力需要の多い地域に移動し、蓄電池から放電して電気を供給しているという。マウイ島の約800世帯がこの実証に参画している。

 実証の結果は、予想していたよりも順調で、現実の事業として成立する手応えを得ているという。