台湾EnergyTrendは13日、2017年のグローバルにおける太陽光発電の新設市場が合計73.9GWになるとの見通しを発表した。EnergyTrendは調査会社であるTrendForceの一部門で、エネルギー関連の市場調査などを手掛けている。

 EnergyTrendによると、太陽光発電は過去数年間にわたって拡大を続けてきたが、今年初めて成長がほぼ横ばいになる。太陽光発電のグローバル市場における上位3カ国も今年顔ぶれが変わり、インドが日本に代わり世界3位になる可能性が高いとした(図)。

台湾EnergyTrendによる太陽光発電のグローバル市場の見通し。2017年に世界シェア14%を占めるインドが日本を抜く可能性があるという
台湾EnergyTrendによる太陽光発電のグローバル市場の見通し。2017年に世界シェア14%を占めるインドが日本を抜く可能性があるという
(出所:EnergyTrend)
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 上位2カ国が、中国と米国であることに変化はない。だが、中国では政府による最近の発表で太陽光の設置目標が昨年より微減となり、米国ではトランプ政権の発足という政治面の変化が、太陽光発電の市場成長に繋がらないとしている。

 同時に、日本では固定価格買取制度の買取価格が今後2~3年間も継続的に引き下げられる。

 一方、インドは太陽光への需要を底堅く維持しグローバル需要のうち少なくとも14%を占めると見込まれ、日本を抜き世界3位となる可能性が高い。

 インドで系統に接続されている太陽光発電の累積容量は、同国の新・再生可能エネルギー省(MNRE)によると、2016年末で9GWを超えている。さらに、インド政府は同国と世界で最大となるメガソーラー(大規模太陽光発電)のプロジェクト「Rewa Mega Solar Project」を発表している。このメガソーラーは、2018年に運転を開始する計画であり、同国における太陽光発電の設置目標の達成に貢献すると見込まれる。

 EnergyTrendのCeleste Tsaiアナリストは、インドの政策動向が、今後の太陽光市場にとって大きく影響すると指摘している。

 同氏は、「現在、インド国内では、太陽光パネルに売上税(Goods and Services Tax:GST)のかからない地域がある。しかし、政府は太陽光パネルに対してGSTが適用されるかをまだ決定していない。昨年、インドで議会が承認したGSTは、今後のインドにおける太陽光発電所の建設に対して極めて大きな経済的負担となり、太陽光の市場成長を阻害する恐れがある」と述べている。

 2017年の太陽光発電のグローバル市場に関する見通しについては、英HIS Markit社も2016年12月に同様の可能性を指摘している(関連記事)。今回、台湾EnergyTrendもほぼ同様の見通しを示した。