「交流セッション」会場の様子。
「交流セッション」会場の様子。
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 女性管理職の割合に数値目標を義務付ける「女性活躍推進法」などをキッカケに、製造業などでも女性管理職比率の向上が課題となっている。そこで更なる課題として挙がってくるのが、技術系女性の人材不足だ。そもそも技術系女性人材自体が少なければ、技術系部門の管理職として登用するのはさらに難しくなる。こうした背景から注目を集めるのが、リケジョ(理系専攻の女子、女子学生)よりもさらに少ないとされる「メカジョ(機械工学系専攻の女子、女子学生)」だ。日本機械学会は、こうした機械系女子学生の就職・キャリア支援を目的として、女性の大学生・大学院生・高専生に向けた「第1回メカジョ未来フォーラム」(2017年3月14日、明治記念館)を開催した。

 フォーラムでは、「交流セッション」として50社による合同企業説明会が開催された。女性活用で有名な大手企業と共に、積極的に参加していたのが中小企業だ。真空ポンプを扱う宇野澤組鐵工所は、現時点では事務以外の女性従業員はいないという。同社は創業118年になる老舗企業で、最近人材が確保できないとされる技能系ワーカーも無事採用できているが、メカジョについては「工場見学や面接に女子学生が1~2人が来て、“これは優秀な学生さんだ”と思っても、大手企業に取られてしまう」という。

 油圧製品を扱う油研工業は、工場の庶務や管理部門などで活躍する女性従業員が少なくはないが、あえて今回のイベントのパンフレットに「機械製品の開発設計に携わる女性技術者は、まだ油研工業にはいません」と明記した。同社では海外進出によって、拡大する新興国の需要などに対応している。一方で、機電系学生には油圧製品の多くが電気製品に代替されつつあるというネガティブなイメージがあるケースが多く、男女問わず学生を集めるのが難しい面があるという。特に、「油圧製品と言えば“油”“重い”といったイメージが強く、女子学生からはことさら敬遠されていると思う」(説明員)。