リコーは、ヘルスケア事業に本格参入する。その一環として、2016年4月1日に横河電機から脳磁計事業を譲り受け、画像診断装置事業の事業展開・研究開発を加速すると発表した。
リコーはこれまで、医療機関向け事業としてプリンティングシステムやドキュメントのソリューションを提供。「ヘルスケアIT」領域では遠隔医療システムの実証実験、「メディカルイメージング」領域では3次元・マルチ分光カメラや生体磁気計測装置(脊磁計)の開発、「バイオメディカル」領域ではバイオ3Dプリンターの開発など、さまざまな取り組みを進めてきた。
今回、横河電機から譲り受けた脳磁計は、リコーが2014年から技術開発してきた生体磁気計測装置と原理的には同じ。神経活動によって脳から生じるわずかな磁気を、痛みや苦痛を伴わずに計測する。これにより脳内の神経活動の伝達を「見える化」することで、てんかんの診断などに活用されている。
今回の譲渡対象は、「脳磁計の商品、開発・製造資産、保守サービス事業」「生体磁気計測に関わる技術資産」「人員」の3つ。リコーは、てんかんの診断効率化を目指すとともに、生体磁気計測装置(脊磁計)の研究開発の加速を図る。