中国の太陽光パネルメーカー大手であるレネソーラ(ReneSola)社は3月8日、メガソーラー(大規模太陽光発電所)建設などのプロジェクト事業に関する見通しを発表した。

 同社では現在、建設中のプロジェクトが出力約335MW、2017年中の着工を予定するプロジェクトが約550MWある。地域別では、地元の中国が393MWで約70%と最多、米国の108MWが約20%で中国に次ぐ規模となっている(表)。

国・地域2017年に着工予定
[MW]
建設中
[MW]
米国 1086.8
英国14.39.9
ポーランド13
カナダ8.9
トルコ12.712.7
フランス2.32.3
中国393303
合計552.2334.7
中国レネソーラが発表した太陽光発電プロジェクトの事業見通し
(出所:ReneSola)

 中国の393MWは、1月31日時点のデータで、すべて屋根上に設置する「分散電源(20MW以内)」のプロジェクトである。全案件が国家発展改革委員会(NDRC)に申請済みで、すぐに着工できる段階にあるという。プロジェクトを推進する地域は、浙江、江蘇、安徽、江西、山東、湖北、河南、河北、山西、福建、広東の各省。

 米国の108MWでは、そのうちの70MWが「コミュニティソーラー」のプロジェクトである(関連記事1)。プロジェクトを推進する地域は、カリフォルニア、ノースカロライナ、ミネソタの各州。事業の形態は明らかにしていないが、投資税額控除(ITC)や各地域で電力を供給する電力事業者との電力購入契約(PPA)などを活用しているとみられる。

 英国では、約14MWのプロジェクトを2017年中に着工する予定。その内の10MWは、「再生可能エネルギー証書制度(ROC)1.2」に基づく容量で、系統への接続は2017年3月を見込んでいる。

 これらの他、ポーランド、カナダ、トルコでそれぞれ10MW前後のプロジェクトを建設する。ポーランドでは保証された買取価格408.8ズウォティ/MWhで15年間のPPA(関連記事2)、カナダとトルコでは固定価格買取制度(FIT)での売電を計画している。

 レネソーラのXianshou Li会長兼最高経営責任者(CEO)は、「2017年の第1四半期は、自社開発のプロジェクトにパネルを振り向けるため、顧客への出荷量が少なくなる。第2四半期には、プロジェクトの売り上げが回復するだろう。全体的に、プロジェクト開発事業については楽観できる状態が続く」と述べている。

 太陽光パネルのグローバル市場では、供給が需要を上回る状態が長く続いている。このため、太陽光パネルメーカーの多くが、自社でメガソーラー開発を手掛けるなど、パネルの売り切りだけに依存する事業構造からの脱却を目指している。レネソーラが今回、発表したプロジェクトの事業見通しも、こうした流れを裏付けている。

 レネソーラは市場の弱含みから株価の下落が続き、株式を上場している米ニューヨーク証券取引所(NYSE)から上場廃止の警告を受けていた(関連記事3)。同社は米国預託証券(ADR)プログラムにおける同社株式の比率変更を1月30日に実施し、その結果NYSEでの上場基準をクリアしたと3月2日に発表している。