自動車技術会が2017年3月1日、東京都西新宿の工学院大学において実施したシンポジウム「モータースポーツ技術と文化~進化し続ける開発手法の最前線~」では、エンジンに関するシミュレーション技術についても講演が行われた。

 ニッサン・モータースポーツ・インターナショナルの松村基弘氏は「モータースポーツ用直噴過給エンジンの燃焼に関する考察」としてエンジンの燃焼状態のシミュレーション技術を発表した。

排気量3.0LのV型6気筒直噴ガソリン・ツイン・ターボ・エンジン「VRX30A」
排気量3.0LのV型6気筒直噴ガソリン・ツイン・ターボ・エンジン「VRX30A」
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 具体的には、2015年のルマン24時間レースに参戦したLMP1車両「GT-R LMニスモ」に搭載した排気量3.0LのV型6気筒直噴ガソリン・ツイン・ターボ・エンジン「VRX30A」(図は2017年仕様)の開発における、シミュレーション技術を用いたシリンダー内の燃焼ガス流動によるタンブル渦や燃料噴射の適正化による性能向上の検証例が示された。