自動車技術会は3月1日、東京都西新宿の工学院大学において、モータースポーツ部門委員会による「モータースポーツ技術と文化~進化し続ける開発手法の最前線~」をテーマにシンポジウムを開催した。

 モータースポーツの技術発表は開発が終了した時点で明らかにされるために最新とは呼べないジレンマがあるとはいえ、公表されにくい内容を含むシミュレーション技術を中心とした今回の講演内容は興味深いものとなった。ここでは2回に分けて講演順にその概要を紹介する。

本田技術研究所の発表
本田技術研究所の発表
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 冒頭に発表したのは本田技術研究所の徃西友宏氏。「SGT GT500 NSX Concept GTの開発」と題してSUPER GT選手権におけるホンダの車両開発を解説した。2014~16年シーズンにおけるエンジンを含む車両レギュレーションの変更によって、フロントエンジン・リアドライブ用に開発されたモノコックを基本にミッドエンジン・リアドライブを設計したホンダは、サスペンションとモノコック取り付け部の変更やエンジンルームの熱害対策のための空力処理、ハイブリッドシステムの搭載手法などが、難しい点だったとした。

空力の改善
空力の改善
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車両の基本レイアウト
車両の基本レイアウト
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