コンテナ型蓄電池システムの断面図
コンテナ型蓄電池システムの断面図
(出所:NEC)
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構築する10MW蓄電池システムのイメージ
構築する10MW蓄電池システムのイメージ
(出所:英Low Carbon社)
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 NECと米NEC Energy Solutions社は3月2日、英VLC Energy社との間で合計出力50MW規模の大型蓄電池システムの構築・運用に関する契約を締結したと発表した。NECとNEC Energy Solutions社は、これまでに英国を含む全世界に合計120MW以上の大型蓄電池システムを構築している。今回の50MW規模はそのなかでも最大規模になるという。

 提携に基づき、英国南東部Glassenburyに40MW、北西部Cleatorに10MWの蓄電池システムを設計・調達・施工し、10年間の運用・保守を担当する。再生可能エネルギーの大量導入に対応し、英国内における電力系統の安定化に活用する。

 加えて、“電力のピーク時間帯における電力使用量に応じた課金”を軽減するサービスの提供や、蓄電池システムを用いた、その他の電力市場への参入などにも使う予定。システムの稼働開始は2017年11月になる。

 英国では、低炭素社会の実現、電力の安定供給、再エネ導入の目標達成に向けて電力市場改革が進められており、電力系統における周波数や電圧などの電力品質を維持するアンシラリ―サービス市場が確立されている。

 VLC Energy社は、大型蓄電池システムの導入により、1秒以内の迅速な応答速度で周波数障害を未然に防ぐ「高速周波数応答サービス(Enhanced Frequency Response)」を、英国最大の送電事業者National Grid社に提供する予定。

 VLC Energy社は、再エネの投資会社である英Low Carbon社と、欧州最大の熱源供給プラントのオーナーであり、エネルギー分野の製品や資産の取引・提供を行う投資会社である蘭Vitolグループの一員の英VPI Immingham社によって設立された合弁会社。