中国の航空宇宙・太陽光パネルメーカーであるShanghai Aerospace Automobile Electromechanical(上海航天汽車機電:上海航天機電)は2月28日、都内で記者会見し、事業の現状を明らかにした。
同社は、1960年から人工衛星とともに、その電源として太陽電池の開発や生産を手掛けている。シリコンウェーハからセル(発電素子)、太陽光パネル、発電プロジェクトの開発、EPC(設計・調達・施工)サービス、O&M(運用・保守)まで、一貫で太陽光発電システムに取り組んでいる。
年間の生産能力は、インゴット・約2.5GW、ウェーハ・2.3GW、太陽光パネル・2.8GWなどとなっている。
太陽電池セル・パネルではさらに、トルコのインスタンブールに新工場が完成し、2017年にセルは年間300MW、パネルは年間600MWの生産能力で稼働を開始する予定。この工場は、中東や欧州向けに出荷する。中東では最大の太陽光関連工場だとしている。
太陽光発電所の開発では、中国を中心に累計で600カ所以上・合計出力1GWの案件を開発した。開発後に売却した発電所もある。
EPCサービスでは、年間で合計出力約500MWを竣工できる規模となっている。中国におけるEPCサービス市場では、2015年は7位、2016年は6位と上位を占めたという。
O&Mを担当している太陽光発電所は、合計出力1.2GWとなっている。
太陽光発電関連の研究員は500人以上、同分野の研究開発費は年1000万米ドル以上、太陽電池関連の特許は50件以上保有するなど、技術開発力を強調した。
日本では2011年以降、OEM(相手先ブランド品製造)を中心に、太陽光パネルを販売してきた。2013年には、日本支社を創設している。
日本ではこれまで、合計出力800MWの太陽光パネルを販売した実績がある。2011年の18MWから、2012年は70MW、2013年は128MW、2014年は240MWと拡大したものの、2015年は130MW、2016年は148MWとピークに比べると減少している。
2017年は、前年比1.4〜1.6倍を目指している。住宅用のOEM先の獲得に加え、自社ブランド品の拡販によって実現していく。