太陽光発電の国内市場の推移
太陽光発電の国内市場の推移
(出所:富士経済)
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太陽光発電の世界市場の推移
太陽光発電の世界市場の推移
(出所:富士経済)
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 富士経済は2月24日、「2016年度の太陽光発電の国内市場は出力ベースで9.25GW、金額ベースで7380億円」との調査結果を発表した。2012年度に始まった固定価格買取制度(FIT)により非住宅用市場が急速に拡大したが、需要は2015年度がピークで2016年度は減少に転じると見ている。

 ただし、中長期的には盛り返すと予測しており、2030年度は11.1GW、6500億円と見込んでいる。FITをベースとした売電事業から、相対による発電事業、エネルギーサービスを主とする運用へと移行が進み、資産管理業務やO&M(運営・保守)サービス、自家消費を想定したパッケージやソリューションの提案などの需要が増加するという。

 定置型蓄電池システムの市場は、2016年度に456億円を見込む。今後も拡大を続け、2030年度は2879億円と6倍に成長すると予測する。住宅用が牽引しているが、2016年度は補助金の打ち切りや新制度への移行を受けて、一時的な市場の縮小を見込む。ただ、2019年度に一部の住宅用太陽光では、余剰電力の買取期間が終了するため、自家消費向け蓄電池システムの導入が進み、市場が再び拡大するとみている。

 見える化システム(産業用モニタリングシステム)市場は、2016年度の257億円から2030年度に792億円と3.6倍に成長すると予測。発電事業などの大型案件では、効率的な運用にはモニタリングシステムが必須となる。

 なお、太陽光発電の世界市場では、2016年の79.24GW、4兆5920億円から、2030年には118.3GW、5兆2285億円まで成長すると予測する。中国、米国、英国が市場をけん引しており、今後はインドやASEANなどのアジアや、中東、アフリカ、南米などでも市場が拡大していくとみる。また、1kWh当たりの導入コストが購入電力単価を下回る「グリッド・パリティ」に達する地域が増加すると予測する。