日本のものづくり再生のカギになるのではと期待を集める「メイカーズ」。その新拠点となることを狙い、六本木に会員制のDIY工房「TechShop Tokyo」が2016年2月18日、プレオープンした。メイカーズブームの一端を担う米TechShop社と富士通が、2015年10月1日に設立したテックショップジャパンが運営するもので、TechShopのアジア初拠点となる。テックショップジャパンに出資した富士通 代表取締役社長の田中達也氏は「“個人の楽しみ”から“夢の実現”へと発展させ、イノベーションを起こしていきたい」と、TechShopへの期待を明らかにした(関連するプレスリリース)。
TechShopがほかのメイカーズ拠点と異なる点は何か。米TechShop社 CEOのMark Hatch氏は、「DIY工房でありながら、単なるものつくりの道具を提供するのではなく、コミュニティの場であること、オープンアクセスであること」を強調する。つまり、各種DIYツールを提供することで、ツールをめぐるコミュニティができ、メーカーやクリエイター、ベンチャーキャピタルなど様々な人をつなぐ、いわば「コミュニティのプラットフォーム」と位置付けているという。
こうした意図を反映し、TechShop Tokyoは六本木のオフィスビルの中にありながら、1200m2、天井高さ最大8mと広々しており、一面の窓ガラスから明るい日差しが差し込む、いわゆる“オープン”な雰囲気が特徴的だ。ガリガリと実用化に向けて研究開発を進める場というよりは、多くの人を巻き込み「アイデアがあったら形にする」(テックショップジャパン 代表取締役社長 有坂庄一氏)ことを重視し、いわば出発点に力点を置いているのかもしれない。
3Dプリンターとレーザーカッターが人気
目玉となるのは、米国で一番人気という3Dプリンターとレーザーカッターだ。3Dプリンターは米Microboards Technology社の「H800 AFINIA」と米Stratasys社の「Replicator」を2台ずつ用意する。レーザーカッターはオーストリアTrotec社の「Speedy300」が5台並ぶ。UVプリンター(ローランド ディー.ジー.「LEF-20」)も人気という。