図 古河電工グループのKANZACCが試作した小水力発電装置「ENEFALL-DAN5215」
図 古河電工グループのKANZACCが試作した小水力発電装置「ENEFALL-DAN5215」
直径400mmの砲弾型で、長さは1635mm、出力0.5kW。
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 古河電工グループのKANZACC(本社大阪市)は、水流があれば高低差のない場所でも設置可能な小水力発電装置「ENEFALL-DAN5215」を開発したと発表した。直径400mmの筒の中に羽根車(スクリュー)と発電機を入れた構造で、水路などに沈めると筒に水流が入り、羽根車で発電機を回す。試作品では0.5kWの発電が可能で「実用化までに出力を2kW以上にしたい」(KANZACC)という。2017年度上半期までの製品発売を目指す。

 小電力発電では通常、2m程度以上の高さから水を落として水車を回すことが多く、高低差を設ける工事などが必要になるため、設置コストが上昇する。新しく開発した装置は設置場所の水流を利用することから、水を落とすための高低差はなくてもよい。水路などに沈めてワイヤーなどで固定すれば使える、としている。

 試作品では筒の上流側に尖った形状のゴミよけ用金網を装着しており、全体は砲弾のような形をしている。下流側の端近くに3枚羽根の羽根車がある。羽根車は軽量化のため樹脂製にした。今後出力を増やすため、羽根の形を改良して回転数を上げたり、発電機自体を改良したりするという。試作品の全長は1635mm、質量は85kgで、140Vの3相交流を発生させる。

 KANZACCは電線・ケーブルと、めっき加工品、金属管のメーカー。これまで風力発電装置用の電線、金属管を応用した地熱発電装置などの開発に取り組んでおり、新開発の小水力発電装置も新規事業の一環。

■変更履歴
掲載当初、写真の説明で「出力0.5W」としていましたが、正しくは0.5kWでした。お詫びして訂正します。現在は修正済みです。