出力約82MWの「大分ソーラーパワー」
出力約82MWの「大分ソーラーパワー」
奥に見えるのは別の企業によるメガソーラー(出所:丸紅)
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 丸紅は2月6日、2017年3月期の連結純利益の予想を、従来の1300億円から100億円増となる、1400億円に上方修正したと発表した。

 上方修正の理由として、国内の太陽光発電所の譲渡益や、石炭や銅などの金属事業の持ち分法投資利益が見込みを上回ることを挙げている。

 丸紅は、大分県大分市にある出力約82MWの太陽光発電所(関連ニュース1)を売却することを決定している。

 売却後のメガソーラー(大規模太陽光発電所)のスポンサーは、日本政策投資銀行となる。

 この売却によって、丸紅は現金400億円を得る。このうち200億円が売却益となり、これが2017年3月期決算の純利益を引き上げる。

 売却の手法は、発電事業者である特定目的会社(SPC)の吸収分割と、会社分割を合わせたものとなっている。

 まず、丸紅の100%子会社のSPCである大分ソーラーパワー(大分市)を、丸紅が吸収合併する。この合併によって丸紅が得た、メガソーラーの資産・負債・その他の権利義務を、新たなSPCに承継させる。

 メガソーラーを継承するSPCは、「大分メガソーラー合同会社」(東京都中央区)で、大分メガソーラー一般社団法人が設立した。

 元のSPCである大分ソーラーパワーは、解散する。合併や分割は、同じ日(2月28日)に実施することで、元のSPCの清算業務の簡略化など組織再編に関連する手続きを迅速に実行できるとしている。

 この吸収分割方式の手法は、日本政策投資銀行が提案した。

 丸紅は、事業ポートフォリオ最適化を目的に、太陽光発電事業の売却を検討しており、大分のメガソーラーの譲渡について、競争入札を実施した。応札のあった案の中から、日本政策投資銀行による提案を採用した。

 丸紅は、国内ではメガソーラーのほか小水力発電など、海外ではより大規模なメガソーラーの開発も手掛けている(関連ニュース2)。

 国内では、大分の出力約82MWのほかにも、三重県と愛知県にまたがる木曽岬干拓地で約49MW(関連ニュース3)、宮城県岩沼市で約28MW(関連ニュース4)、北海道苫小牧市で約30MW(関連ニュース5)といった、出力が数十MW規模のメガソーラーを運営しており、これらの案件の動向にも注目が集まる。