昇圧変圧器や特高関連設備まで同じ筐体に収める
昇圧変圧器や特高関連設備まで同じ筐体に収める
(出所:シュナイダーエレクトリック)
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 フランスの重電大手の日本法人、シュナイダーエレクトリック(東京都港区)は2月22日、直流入力電圧が1500V対応で、定格出力2MWの太陽光発電向けパワーコンディショナー(PCS)「Conext SmartGen」を、日本で販売開始すると発表した。2018年中の納入開始を目指す。

 出力規模の大きいメガソーラー(大規模太陽光発電所)向けの機種で、出力2MWという世界最大クラスの容量によって、導入コストと運用コストを削減できるとしている。

 直流の入力電圧を1500Vに高めたことで、発電所内における送電ロスの削減や、接続箱の設置個数の削減などによる導入コストの低減にも寄与する。

 また、IoT(もののインターネット)を活用することで、運用コストを下げるとともに、発電効率を最大化できる。

 運転状況とメンテナンスの履歴を記録して保存し、自己診断機能を備える。クラウドコンピューティングを活用し、予知保全上の警報や不具合の報告などを送信できる。

 自己診断と報告の機能に関して、主に二つの利点を挙げている。一つは、メンテナンスの連絡が不要になること。もう一つは、予知保全が可能になるため、必要な時だけメンテナンス作業をすればよくなることである。

 防水・防塵機能を備えた耐腐食性の高い筺体に収納することで、30年間の耐用年数を可能にした。

 筐体には出力2MW機を2台収納することから、一つの筐体で出力4MW分のPCSを設置することになる。

 PCSだけでなく、昇圧変圧器、特別高圧関連設備なども、同じ筐体に収納して納品する。同社の工場での出荷時に、これらの機器間の配線を終えているため、現地での設置時には、ワイヤーハーネスを接続するのみとなり、施工期間を短縮できる利点もあるという。

 現地には、10t車で搬入できる。このため、道路の状況による制約を受けにくい。

 直流入力1500V機の日本市場への投入に関しては、米ゼネラル・エレクトリック(GE)がすでに表明しているほか、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)が定格出力2.5MW機を4月から国内で販売開始すると発表している(関連ニュース)。