Sunverge社の蓄電池と制御システムのイメージ 
Sunverge社の蓄電池と制御システムのイメージ 
(出所:三井物産)
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蓄電池の設置イメージ
蓄電池の設置イメージ
 (出所:三井物産)
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 三井物産は2月24日、太陽光発電や蓄電池、電気自動車(EV)などの分散するエネルギー関連設備(分散エネルギーリソース)を「群制御」する米国のソフトウエアサービス会社であるSunverge Energy社(以下Sunverge社)に出資したと発表した。

 「群制御」とは、独立して存在する個々の機器を集合し、同時に操作することで、合理的かつ効率的な運用を目指す制御方式で、分散エネルギーリソースに限らず、ロボットや航空機などさまざまな分野に応用されている。

 Sunverge社の群制御ソフトウェアは、さまざまなメーカーの各種の蓄電システムや屋根置き太陽光発電システムなどの自家発電、EVといった分散エネルギーリソースを接続できるのが特徴という。三井物産は、Sunverge社のソフトウェアを活用することで、次世代の電力分野で新規事業を創出する。

 住宅用の屋根置き太陽光発電は、米国、豪州など先進国を中心に普及が進んでいるが、一方で送配電系統への負担増、電力料金負担の不均衡、煩雑な需給調整などの問題が生じている。こうした課題に対し、Sunverge社は、電力会社や送配電系統運用者、電力小売事業者などに向け、住宅用太陽光に蓄電システムを併設し、同社のソフトウェアによって蓄電池と太陽光発電を群として統合制御するサービスを実用化している。

 具体的には、送配電系統の状況に合わせて、蓄電池の充放電や太陽光発電システムから系統への送電の可否など、個々の分散エネルギーリソースの制御を最適な組み合せで実施することで、効率的で安定した送配電系統の運用を可能にするという。

 三井物産は、多様な分散エネルギーリソースを接続できるSunverge社のソフトウェアの特徴を生かし、「バーチャルパワープラント(VPP:仮想発電所)」のビジネスモデルの実現を目指す。VPPとは、送配電系統の需給に合わせ、太陽光発電や蓄電池などの分散エネルギーリソースをあたかも一つの発電所のように群制御することで、送配電系統の需給バランスを最適化する次世代型の電力ビジネスモデルを指す。