石油メジャー(国際石油資本)の英BPは2月20日、エネルギー市場予測「BP Energy Outlook(BPエネルギー概況)」の2018年版を発表した(図1)。

図1●英BPが発表した「エネルギー見通し2018年版」の表紙
図1●英BPが発表した「エネルギー見通し2018年版」の表紙
(出所:BP)

 2040年までの期間にわたり、世界全体で進展する「エネルギー転換」をもたらす要因と、不確実性について考察したとしている。エネルギー転換のスピードが定かではないため、いくつかのシナリオを前提として見通しを提示した。

 中でも、エネルギー政策、技術や社会的な嗜好が過去数年と同様の傾向やスピードで進展することを前提とした「進化する転換(ET)」シナリオが見通しの中心となっている。

 同シナリオでは、世界のエネルギー需要は年平均1.3%の割合で増え続け、2040年の時点で約33%増加すると見込む。新興国の成長が後押しし、グローバル経済は2040年までに2倍以上に成長するが、省エネルギーの進展がエネルギー需要を相殺するためとする。

 グローバルのエネルギーミックスはこれまででもっとも多様化が進んだ形となり、2040年の時点では石油、ガス、石炭、非化石燃料である再生可能エネルギーがそれぞれ約25%を占めると見込む。

 再エネは年率7.5%と成長率が最も高いエネルギー源となり、発電設備容量の増加分で50%以上を占める。その中心となるのは、低コスト化が進む太陽光と風力である(図2)。

図2●英BPが「エネルギー見通し」で示した再エネ電力量の増加
図2●英BPが「エネルギー見通し」で示した再エネ電力量の増加
(出所:BP)