ID-Linkインターネットゲートウェイサービスの接続例(上図:公開施設の例、下図:閲覧施設の例)。閲覧施設は、電子カルテ端末からID-Linkと特定サイトへのアクセスが可能。
ID-Linkインターネットゲートウェイサービスの接続例(上図:公開施設の例、下図:閲覧施設の例)。閲覧施設は、電子カルテ端末からID-Linkと特定サイトへのアクセスが可能。
[画像のクリックで拡大表示]

 NECは、地域医療連携ネットワークサービス「ID-Link」のオプションサービスとして、院内の電子カルテ端末などから特定のWebサイトへのアクセスを可能にする「ID-Linkインターネットゲートウェイサービス」の提供を開始した。ID-Linkを利用する医療機関が同サービス用の「ID-Link miniアプライアンス」を導入することで利用できる。価格は、アプライアンス本体が98万円、設定作業が45万円、月額2万円。

 医療機関はインターネットと隔離された院内ネットワークを構築していることが多いが、電子カルテ端末から医療情報収集のためのWebサイトへのアクセス、あるいはOffice 365などクラウドサービス利用への要求が高まっている。今回のサービスは、ファイアウォールのような高度なフィルタリングや情報流出などのセキュリティー対策には対応しないものの、そうした要求を踏まえて安全なサイトやサービスの利用を可能にする。

 サービス利用のために導入するID-Link miniアプライアンスは、プロキシ機能を持ち、ホワイトリストの設定に基づいて特定のWebサイトやクラウドサービスなどへのアクセスを許可するもの。ID-Linkによる地域医療連携ネットワークに参加する診療情報公開施設(公開用ゲートウエイサーバー設置施設)、および閲覧施設(公開用ゲートウエイサーバー未設置施設)の両施設とも利用できる。閲覧施設については、SSL/TLSクライアント証明書のインストールをしなくても、ID-Linkサービスを利用することができる。

 ホワイトリストは、医療機関が自らの責任で指定し、ID-Linkサービスセンターからアプライアンスに対してリモート設定を行う。その他、インターネットゲートウェイサービスを維持するために、ファイアウォールの軽微な設定変更、アプライアンスの監視サービス(死活管理)などを行う。これらのメンテナンスサービスは、L2TPv3/IPsec方式を用いて行われる。